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zoom RSS TERADA闘病記 第6回

<<   作成日時 : 2016/08/30 00:09   >>

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転がせDESTINY < ルーツ >


オレは、しばらくの間、町内の仲の良かった、おばさんの家や、母方の叔母の家、祖父母の家と順番に預かってもらっていた。

オレが幼い頃、父親は明け方に家を出て、夜遅くまで材木工場で働いていた。

だから幼い頃に、父親の顔を見た記憶ってのは、ごくわずかしかなかった。

どうやら腕利きの職人だったらしく、当時の仕事仲間の方からも、そんな話を何度か聞いた覚えがある。

オレが産まれてすぐに、当時の工場が閉鎖。

そして、オレが3歳の頃、父親の働いていた材木工場の機械が故障し、丸太の下敷きになり内臓破裂。

助かる見込みは、0.1%にも満たないと、医師から母親に告げられた状況だったが、奇跡としか言いようのない生命力で、ちっとも大げさなんかでなく、まさに傷だらけの生還を遂げたってわけだ。

そんな大きな手術だっただけに、まだ幼かったオレがショックで、なにか突発的な症状を引き起こしたりしないか、そのあたりを心配しての、母親にとっても苦しい判断だったんだろうな。

父親の具合が少し安定しだしたのは、手術後、2ヶ月ほど経ってからだったかな、祖母に、病院に連れて行ってもらった。

あの時の光景を、30年以上経った今でも鮮明に覚えている。

体中にチュ―ブを通され、酸素マスクをつけた父ちゃんは必死に手を伸ばし、小さいオレの手を、強く…強く握りしめた。

そして何度もオレの名前を呼んでいたんだ。

声は聞こえなくとも、口元が何度もオレの名前を呼んでいたその姿が、なにかあるたびに、オレの逃げたくなる心に火をつけ、あきらめそうになる心を奮いたたせてきやがった。

そんな男に生き方を教わってきたんだ。

やせ我慢の美学のようなものも含めてね。

父親は闘い続けた、田舎独特の、噂好きの悪しき風習や、手術後に、はね返ってくる肉体的なダメ―ジ、そして現実を受け入れるしかないとはいえ、これまでの生活とは大きく異なる日常に対する戸惑い。

そんな父親の心情を察しながらも、気丈に振る舞い働き続けてくれた母親。

倒れることが許されない状況下での気苦労を分かっていながらも、オレが中学〜高校の頃は、毎日のように音を立て弾けるかのような、家の中での摩擦にずいぶんエネルギ―を使わせ、擦り切れさせてしまったような気がする。

ただ、いつでも真正面から受け止めてくれていた。

まっ、その当時は、そんな風には考えられなかったけどね。

そんな両親に心配と迷惑を掛けることしか知らないような、貯金なし、嫁なし、ぺ―パードライバ―な、バカ息子のオレだが、今回の病気に関しては、仕方ないとはいえ申し訳なくて、頭あがんないって感じだね。

幾つになっても心配かけてんだから、さすがに、そう思っちゃうよね。

だからこそ早く元気になって、バリバリで、ステ―ジに立たなきゃね。

だって、それしかないもんね(笑) 

オレに出来る…胸を張って誇れることってさ。

もう引き返せないし、ひき返すつもりもないし、オレの選んだ道は、確かUタ―ン禁止だったはずだからさ(笑) 

だから、こりずに悪あがきするってわけさ。

へへっ




転がせDESTINY < ROLL >


転院しても、限られた空間を、可能な限り楽しめる空間にカスタムしてみる。

ほんの些細な事であっても、楽しみ方は自分次第。

負担にならない程度に身体も動かす。

朝昼晩と、自分で決めたストレッチメニュ―を実践。

楽な方に傾くと、歯止めなく転がりそうな自分ってのも知っているつもりだしね。

自分の考えたスケジュ―ルで過ごせたほうが、わずかでも充実感が得られるような気がするしね。

オレの現在地は、間違いなく病室。

それでもロックンロ―ル出来るんだぜ。

オレは、そう信じて疑いやしない。

それが職場であろうと、学校であろうと、家庭であってもさ。

オレは、たまたま病室にいるってだけの話でね。

ROLLすることが重要なのさ。

転がり続ける姿勢がね。

「ロックンロ―ル」オレが口にする、この言葉は決して楽器をプレイする連中や、カテゴライズされた、音楽ジャンルだけを意味するものじゃないんだぜ。

ハ―トがROLLしているか否か、そこなんだよ。

青臭いくらいで良いじゃないの? 

カッコ悪いくらいに、本気のエネルギ―あふれてる、そんな人間臭い奴で良いんじゃない?

それくらいで丁度良いんだよ。

そうじゃなきゃ、面白くねぇってば。

自分に対して薄っぺらい奴は、他人に対しても同様。

まぁ、全てに当てはまるとは言い切れないけど、あながち外れてもないだろうって思うよ。

…オレはね。

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